テキサス州戦略ビットコイン準備成立にあと一歩!史上最高値はいつ?【仮想通貨相場】 image 0

ポイント

  • 10.7万ドル台で底堅く推移、史上最高値に迫る 
  • ブラックストーンがIBITを少額組み込み
  • テキサス州SBR法案が第2読会通過、成立期待 
  • 地政学リスク高まり円建て価格の上値重くする

昨日のBTC相場

昨日のBTC市場は底堅い展開。10.7万ドル(約1550万円)手前で跳ね返されたが、10.4万ドルで反発し、今朝方10.7万ドル台に乗せ、一昨日の戻り高値を僅かに更新した。

先週金曜日、米株市場クローズ後にムーディーズが米国債を格下げ、週明けの先物市場でドル安・株安・債券安のトリプル安が発生。BTCは一時10.7万ドルを付け、史上最高値にあと2000ドルに迫ったが、先物市場のロングポジション清算売りを巻き込み、10.2万ドル台へ急落した。しかし、月曜日の米市場オープン後、停戦協議への期待からトリプル安が回避されると反発。JPモルガンのダイモンCEOが顧客向けBTCサービス提供を示唆し、米上院でGENIUS Act(ステーブルコイン法案)の成立見通しが立ったことも好感され、昨日朝方に10.6万ドル台まで値を伸ばした。

しかし、10.7万ドルを前に失速し、10.4万ドル近くまでじりじりと値を下げた。ロシアの強硬姿勢、欧州の独自制裁、イランの核協議に対する悲観的見解など、地政学リスクの高まりが影響した可能性がある。石破首相の「日本の財政状況はギリシャより悪い」発言や、日銀の買入額見直し検討を受け、20年債入札が低調に終わった影響でドル円が急落。円建てBTC価格の下げが目立った。

米株市場オープン後、ブラックストーンがブラックロックのビットコインETF(IBIT)を少額(23,094株、約1000万ドル)ながら傘下のオルタナティブ・マルチストラテジー・ファンドに初めて組み込んだことが明らかになり、市場は反発。FRB高官のタカ派発言で値を下げていた米株も持ち直し、BTCは10.7万ドル台に値を伸ばし、月曜日の戻り高値を更新した。

その後、CNNがイスラエルによるイランの核施設攻撃計画を報じた一方、テキサス州の戦略BTC準備金(SBR)法案が下院で第2読会を通過。10.7万ドルを挟んだもみ合いが続いている。リスクオフムードでドル円が143円台に円高が進んだ影響で、円建て価格は上値を重くしている。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。