ソラナの次世代版NFT圧縮技術「Bubblegum v2」、メタプレックス財団が公開
メタプレックス財団が圧縮NFTの次世代版「Bubblegum v2」をリリース
メタプレックス財団(Metaplex Foundation)が、ソラナ(Solana)とSVM(Solana Virtual Machine)向けの圧縮NFT(compressed NFTs:cNFTs)技術の新しいバージョン「バブルガムv2(Bubblegum v2)」のリリースを5月30日に発表した。
圧縮NFTとは、NFTのメタデータをオフチェーンに保存しつつ、その整合性をオンチェーンで検証可能にすることで、ストレージコストを大幅に削減したNFT。今回公開された新技術は、大規模なアプリケーションやエンタープライズレベルのユースケースに対応するよう設計されている。
次世代圧縮NFT技術となる最新版の「バブルガムv2(Bubblegum v2)」は、これまでに10億個のアセットを作成し現在のソラナ上での圧縮NFTを支えてきた「バブルガム」プログラムのアップグレード版だ。 ・「バブルガムv2」では圧縮NFTのプログラマビリティが強化されており、大量ミントのユースケースに対してスケーラブルかつ低コストなアセット管理を実現する。これにより開発者、クリエイター、企業は数百万のアセットを迅速で安く安全に作成・管理できるようになった。
今回のアップデートは、メタプレックスが最初に圧縮NFTをローンチして以来、ソラナ上のデジタルアセットにとって重要なアップグレードの一つとなる。具体的には、ゲームから実物資産(RWA)、人工知能(AI)まで、大規模な企業やアプリケーションのニーズに応える新しいプラグインが導入されている。
「バブルガムv2」に新機能として追加された「パーミッションプラグイン(Permissioned Plugin)」では、開発者とクリエイターが転送、バーン、第三者への譲渡・販売を不可能にするソウルバウンド機能、フリーズなどのアセットライフサイクルイベントを作成・実行可能になった。これらのイベントは元のスマートコントラクトに記述されている場合のみ実行可能で、ユーザーのNFTに予期しない変更が加えられることは防がれている。
「ロイヤリティプラグイン(Royalties Plugin)」では、ロイヤリティがサードパーティサービスプロバイダーではなくオンチェーンスマートコントラクトによって自動管理され、クリエイターが継続的に作品への報酬を受け取れるようになる。また「コレクション・オンチェーン・アトリビュート・プラグイン(Collection Onchain Attribute Plugin)」により、ゲーム内イベントに基づくコレクションの進化など、NFTの新機能が可能になる。
なお「バブルガムv2」は、複数のパートナーとともにローンチしており、初日から実用的なアプリケーションでの利用が可能だ。高級ワインのトークン化プラットフォーム「ディービン(dVIN)」は、希少でコレクション価値のあるボトルの出所、保管、所有権を追跡する15万個の「デジタルコルク」をミントする予定だ。
NFTやAPIツールを提供するクロスミント(Crossmint)は「バブルガムv2」をコアインフラに統合し、新しい企業向けユースケースを解放する。
クロスミントのプロダクト戦略責任者ニシャイ・ウパディヤユラ(Nischay Upadhyayula)氏は「『バブルガムv2』はソラナでのNFTの使用方法を根本的に変える。このアップグレードによりスケーラブルなweb3ロイヤルティ、デジタル製品パスポート、実世界での検証可能アセットが実現する」と語っている。
なおソラナとクロスチェーンエコシステム向けの主要コミュニティ管理・報酬ソリューション「マトリカラボ(Matrica Labs)」も、アクセス許可、コミュニティツール、開発者SDKを強化するため「バブルガムv2」の機能を統合する予定だ。ローンチ時には、RPCプロバイダーの「ヘリウス(Helius)」「トリトン(Triton)」「クイックノード(QuickNode)」、ウォレット「ソルフレア(Solflare)」「ファントム(Phantom)」、マーケットプレイス「マジックエデン(Magic Eden)」「テンソル(Tensor)」など、主要なソラナインフラやパートナーがサポートを提供する。
なおRPCとはブロックチェーンに対して指示を行う際に使用するプロトコルだ。
1/ The next generation of compressed NFTs is here.
— Metaplex (@metaplex) May 29, 2025
Designed for enterprises, it’s the biggest upgrade yet to the program that’s been used to create more than 1B assets to-date.
Learn how projects across RWAs, AI, gaming, and more plan to use Bubblegum v2 pic.twitter.com/J0xLVu3NJq
参考: メタプレックス
画像:PIXTA
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ソラナの次世代版NFT圧縮技術「Bubblegum v2」、メタプレックス財団が公開
この記事の著者・インタビューイ
田村聖次
和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。
和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。
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