ナスダック上場ソネット、仮想通貨企業を設立｜HYPE保有へ

ナスダック上場のバイオテクノロジー企業ソネットは14日、新会社ハイパーリキッド・ストラテジーズ（HSI）の設立に向け、ロールシャッハIとの最終合併契約を 締結した。

この合併により、同社は事業の軸足をバイオ分野から暗号資産（仮想通貨）の資産管理へと移すことになる。

新会社は、仮想通貨ハイパーリキッド（HYPE）の保有を中核戦略に据える。

ナスダック上場も目指す

新会社HSIは、約1,260万HYPEトークンをバランスシート上に保有する計画だ。このトークンの価値は、約5億8,300万ドル（約857億円）に相当する。

さらに、新たな資金調達や合併による収益から、少なくとも3億500万ドルの現金を確保する。これにより、HSIの企業評価額は合計で約8億8,800万ドルに達する見込みだ。

HSIは、ソネットのナスダック上場を維持し、2025年後半に新たなティッカーシンボルHSIで取引を開始する予定だ。

この構造により、投資家は株式を通じて間接的にHYPEトークンへのエクスポージャーを得られるようになる。

合併後、ソネットはHSIの完全子会社となり、一部のバイオテクノロジープログラムを維持しつつ、事業の再編を進める。

大手投資企業も支援

今回の事業転換は、伝統的な企業がブロックチェーンや 分散型金融（DeFi） の分野に進出し、仮想通貨を成長の原動力として活用する近年の傾向を反映している。

HSIのこの戦略は、 ビットコイン（BTC） を大量に保有するマイクロストラテジー社の事例としばしば比較される。

この動きは、パラダイムやギャラクシー・デジタル、パンテラ・キャピタルといった著名な仮想通貨関連投資企業からの支援によって支えられている。

これらの支援は、ハイパーリキッドのレイヤー1ブロックチェーン技術とHYPEトークンの将来性に対する高い信頼を示すものだ。

新会社の経営陣には、アトラス・マーチャント・キャピタルのボブ・ダイヤモンドCEOが会長に、デビッド・シャミスCIOがCEOに就任する。

また、元ボストン連邦準備銀行総裁のエリック・ローゼングレン氏も取締役に加わり、金融市場における信頼性を高める狙いがある。

この合併は事業統合契約（BCA）として構成されており、完了には株主や規制当局の承認が必要で、2025年後半の完了を目指している。

調達した現金は、さらなるHYPEトークンの取得や事業運営費に充当される計画だ。