ビットワイズ：ワシントンのクリプトウィークが暗号通貨にとってなぜ重要なのか

著者：マット・ホーガン（ビットワイズ最高投資責任者）、翻訳：AIMan@Golden Finance

今週、ワシントンは「クリプト・ウィーク」と呼ばれる重要な局面を迎えました。米国議会は暗号通貨を支援する複数の法案の成立を加速させており、暗号通貨業界に大きな変化をもたらすでしょう。これは業界に新たな成長の勢いをもたらすだけでなく、将来のリスクを大幅に軽減するでしょう。

「暗号通貨ウィーク」の立法ハイライト 7月3日、米国下院は控えめながらも広範囲に及ぶプレスリリースを可決し、6月14日を「暗号通貨ウィーク」と公式に宣言し、3つの主要な暗号通貨法案を推進することを約束しました。

GENIUS法：ステーブルコインのための明確な規制枠組みの提供

CLARITY法：暗号資産規制の全体的な枠組み

反CBDC監視州法：米国における中央銀行デジタル通貨の発行を禁止

GENIUS法案は上院で可決されました。下院でも可決されれば、大統領の署名を得て提出され、米国史上初の重要な暗号通貨関連法案となることが期待されています。

CLARITY法案と反CBDC法案はまだ上院の承認を必要としますが、下院でどちらかが可決されれば重要な節目となるでしょう。

これが暗号通貨にとってなぜ重要なのか

米国の仮想通貨推進法案の可決は、仮想通貨の発展を大きく促進し、将来のリスクを軽減すると私は確信しています。

発展への影響は十分に理解され、広く議論されています。明確な暗号通貨関連法整備は、大手金融機関が暗号資産分野に参入するインセンティブを高め、数十億ドル規模の投資を暗号資産に呼び込み、数兆ドル規模の従来型資産をブロックチェーンへと導くでしょう。もしJPモルガン・チェース、BNYメロン、ナスダックが自由にこの分野に参入できたら、暗号資産はどうなるだろうかと疑問に思ったことがあるなら、その答えはもうすぐ明らかになるでしょう。

しかし、この法律のより重大な影響は、リスクの側面と、それが暗号資産の取引方法にどのような変化をもたらすかにあると私は考えています。

暗号通貨が直面している最大の逆風の一つは、FTX、Luna、Three Arrows Capital、Genesis、Celsius、QuadrigaCX、BitConnect、Mt. Goxといった、注目を集める破綻が相次いでいることである。

それぞれの失敗は暗号通貨業界の発展を妨げ、投資家の信頼を低下させましたが、これらの失敗は主に暗号通貨に対する明確な規制の欠如に起因しています。

内部統制が弱く、監査の抜け穴が多数あるFTXのようなオフショア取引所は、より安全なバージョンがオンショア市場に存在することを許可する明確な規制があれば成長しなかっただろう。

大手銀行が暗号資産を保管できるようになれば、投資家は保管の問題で暗号資産を避けることはなくなるだろう。

GENIUS法のような規制があれば、Lunaのようなポンジ・ステーブルコインは決して存在しないでしょう。

伝統的な金融業界が示すように、明確なルールがあっても全てのスキャンダルを防ぐことはできないのは明らかです。明確なルールはバーニー・マドフの詐欺事件を防げなかったし、クレディ・スイスの破綻につながった一連の不正行為も防げませんでした。しかし、ルールは確かに大きな助けとなります。

投資家が暗号資産から遠ざかる理由の一つは、ビットコインをはじめとする暗号資産の大幅な下落が頻繁に見られることです。ビットコインは過去15年間、世界で最も好調な資産でしたが、70%を超える下落を7回も経験しています。

規制されていないオフショア取引所での予期せぬスキャンダルにより、70%も暴落する可能性のある資産を、プロの投資家が購入するのは困難です。ワシントンで仮想通貨関連法案が審議されていることから、このようなスキャンダルの可能性は大幅に低下するでしょう。

強力な仮想通貨法案が可決されても、市場のボラティリティが完全になくなるわけではありません。しかし、もし可決されれば、仮想通貨が再び70%以上の下落に見舞われることはなくなるでしょう。

暗号通貨の政治的将来について私が心配していない理由

強力な仮想通貨法案が可決されても、市場のボラティリティが完全になくなるわけではありません。しかし、もし可決されれば、仮想通貨が再び70%以上の下落に見舞われることはないでしょう。

暗号通貨の政治的将来について私が心配していない理由

暗号通貨の法律制定に関して、人々はいつもこう尋ねます。「次の政権がこれらの利益を覆してしまうのではないかと心配ではないのですか？」

一言で言えば、心配しないでください。

メディア報道とは異なり、仮想通貨は超党派の支持を得ている数少ない政策課題の一つです。GENIUS法案は、民主党議員18名が賛成票を投じ、68対30の票差で上院を通過しました。これは、2025年の議会会期中に上院を通過した法案の中で最も超党派的な法案の一つです。超党派の支持を得た理由は数多くありますが、例えば若年層における仮想通貨の人気などです。しかし、最も重要な理由は、伝統的に民主党の主要な資金提供者である米国金融業界の支持でしょう。金融業界は、仮想通貨がもたらす成長と機会を積極的に活用したいと考えています。

この経済的動機こそが、ワシントンの仮想通貨支持の姿勢が長期的に持続可能だと私が考える根本的な理由です。より多くの投資家や企業が仮想通貨業界に参入するにつれて、政治家が仮想通貨に反対することはますます困難になるでしょう。

考えてみてください。今日、米国のほぼすべての主要金融機関は、暗号通貨に何らかの形で投資しています。ブラックロック、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、数千もの米国企業、そして数百万人の米国人が暗号通貨に多額の投資をしているとしたら、政治家がその流れを逆転させることは想像しにくいでしょう。

暗号通貨の機関投資家による導入（暗号通貨のスポット、先物、デリバティブの取引を含む）

出典：Bitwise Asset Management、企業提出書類およびプレゼンテーション資料のデータ。2025年6月30日時点のデータ。（1）「暗号資産取引および保管」には、暗号資産のスポット、先物、デリバティブ取引が含まれます。

言い換えれば、一度魔神（ジーニー）が開かれたら、二度と閉じることはできないということです。これらの法案がCrypto Week中に議会を通過し、最終的に法制化されれば、私たちは新たな時代に入ったと言えるでしょう。

暗号通貨は主流になりつつあり、リスクは減少し、ウォール街がこの分野に大々的に参入しています。

史上最高値に達しているのも不思議ではありません。