2025年7月22日、ヘビーメタル界のレジェンド、オジー・オズボーン氏が76歳で死去した。この発表を受け、同氏と関連する非代替性トークン(NFT)コレクション「クリプトバッツ(CryptoBatz)」を求めてファンが殺到し、市場が大きく動いた。
OpenSeaのデータ によると、訃報発表から数時間以内にクリプトバッツのフロアプライス(最低取引価格)は0.02イーサ(ETH)未満から最大0.08 ETHまで一時的に急騰し、400%以上の上昇をみせた。
CoinGeckoの集計 では、22日午後8時(協定世界時)時点におけるピーク時のフロアプライスは295ドルだった。
コウモリを選んだ理由──伝説のライブ事件へのオマージュ
オズボーン氏がNFTのモチーフにコウモリを選んだのは偶然ではない。これは彼のキャリアにおける最も悪名高い事件の1つを象徴するものだ。
1982年、ライブステージ上でオズボーン氏がコウモリの頭部を噛みちぎったという衝撃的なパフォーマンスは、ロック史に残る瞬間として語り継がれ、後に伝説かつミームとなった。
2021年12月に発表されたクリプトバッツは、9666体のユニークなデジタルバットで構成されており、NFT市場への本格参入を告げるものだった。
このコレクションの各クリプトバットは、他のNFTを“バイト(咬む)”する機能を持ち、2つのNFTを掛け合わせたハイブリッド画像を生成できる仕組みとなっている。
“バイト”の対象となるのは、ボア―ド・エイプ・ヨットクラブ(BAYC)、エイリアン・フレンズなどの主要コレクションが含まれている。
引量は24時間で10万%超の爆発的増加に
価格の上昇に加え、クリプトバッツの取引量も劇的に増加した。
DappRadarのデータ によると、24時間の取引量は28万1200ドルに達し、前日比で10万%以上の急騰となった。
24時間の取引高は、クリプトバッツの推定時価総額35万5000ドルの約80%に相当し、同時点でのフロアプライスは36.80ドルとなっている。
取引には約402人の売り手と327人の買い手が関与しており、全体の供給数9666体を考慮すると非常に活発な動きとなった。
とはいえローンチ時の最高値には届かず
今回のオズボーン氏の訃報によってクリプトバッツに対する関心は急増したが、過去最高の取引水準にはまだ遠い。
OpenSeaのデータによると、クリプトバッツは2022年1月のローンチ当初に5ETHを超える平均取引価格を記録しており、これは今回の急騰をはるかに上回っている。
記事執筆時点で出品されている最高額のクリプトバッツは「メガドラゴン・バット」で、価格は99 ETHだ。一方、最も安価な「クリプトバッツ #5892」は約0.4 ETHで取引されている。
2022年当時の熱狂と比べると今回の価格上昇は控えめだが、NFT市場が長引く低迷から回復する兆しと見る向きもあり、業界関係者の間では市場の再活性化への期待が高まりつつある。
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